【イナスト2013】地下室 答え command calculation

この記事は、前記事【イナスト2013】答え合わせの向こう側へ ~ gauge reduction - ゲージ反発量 の続きです。

infi-nity.hatenablog.com

 

前回のおさらい

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前回、必殺技同士のぶつかりあいによるゲージの反発量について、新たに発見された表を用いて計算法を示しました。もちろん、これによってゲージの細かい時刻計算がより精密に行える、といった恩恵は生まれますが、今回の新データが意味するところは、こんな局所的なものではない、というのは想定している方も多いことでしょう。

それでは、早速説明へと入りましょう。

 

説明パート

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まず、属性の表を見ていきます。属性有利不利によって‐1,0,+1のいずれかがあてはまっており、直感的に理解しやすい表です。そして、コマンドバトルの計算において、属性の有利不利による差は補正差2に該当する、という定理があることから、この表と関りがありそうと推察できます。とはいえ、この属性表自体は簡潔であり、まだ憶測の範囲です。

 

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次に、ステータス比較した表を見てみましょう。-2を赤色に、-1を黄色に、0を黄緑色に、1を水色に、2を青色に分けていますが、規則的に数字が並んでいることがわかります。やはり、注目するべきはドリブル側を主体として、1つ下のガード値と2つ下のガード値に対して同じ数値、1をとっていることです。これによく似た現象として、我々が知っているものが、いわゆる下駄履きの法則特定の条件下において、火力差を超えるには余分に補正が必要、というものです。今回の表はこの法則を図示した場合に酷似していることから、これらの表はコマンドバトルと切り離すことはできない、と考えられます。

 

演算パート

ここからは計算も混ぜていきます。まず、前回使用した技威力差表を見てみましょう。

1.

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こちらも、上のステータス表と同じ形状を持っていることが、見て取れると思います。
もう、思い浮かぶことが絞れてきましたが、ここは計算を続けます。

2

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2.整理版

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次に、前回の記事で判明した必殺技ランクによる差表を見てみます。1と2を足すことで、新たな表を作成します。

3=1+2

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さらに、この表のすべての数値を二倍すると、以下のようになります。

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この表は、見覚えがある方も多いでしょう。これは、技威力差についてまとめた表と数値が一致しています。(化身・Lv3+のブロック技については同威力なので、3列目以降が完全に一致している)

 

技威力差表f:id:Infi:20220223204047p:plain

過去記事にて使用しています。

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つまり、前回ゲージ反発量を求めるために使用した5つの表は、ただそれだけのためのものではなく、コマンドバトル計算全ての根幹となる対応表だった、ということが真実となります。ステータスの下駄理論は勿論、一部不規則に見えた技威力差表すらも、ドリブル側を主体として、1つ下と2つ下のブロック側のランクに対して同じ数値、+1をとるという一般化ができるわけです。

しかし、ここで疑問に思う方もいると思います。曹操ザナークの真空魔はどういう扱いなのか、と。これは明らかに他と数値が異なっていたし、こればかりは例外ではないのか、と。答えとしては、これも計算で出せます。
かつて解析によって技威力が数値化された時期、(大国謳歌の仕様が判明した時期あたり)曹操ザナークの真空魔の威力はレベル3技と判明しました。しかし、当時はこれはダミーや仮置きの数値であり、実際は特殊処理がなされている、と納得せざるを得ませんでした。
が、今はゲージ反発量計算の過程で、コマンドバトルに関わる5要素が全てわかっています。その中の技ランクの概念を考えたときに、この真空魔はレベル2技のサークルとして発動します。要するに、技威力はレベル3だが、技ランクとしては見た目のサークルのそれであるレベル2として扱う、ということです。

これをもとに、技ランク表のレベル2と技威力表のレベル3の列の数値を使って、足した後に2倍すると、

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このようにあらわすことができます。整理すると、元の技威力差表に一致します。

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今度こそ、ついに、答え合わせ(コマンドバトル全般)については終わりです。
今回の件は表の公開後に察する人も多く、現に海外ではコマンドバトル計算総合ツールという、全キャラの全技に対応して、コマンドバトルの勝敗を導出してくれるツールが存在します。もちろん、各数値を覚えていれば自力で導出できますが、便利であることは言うまでもありません。
なお、このツールは現在も開発・改良中であり、シュート技やキャッチ技の威力計算もツールに組み込むようです。自分は開発途中のものを度々渡されては、テスト操作してこの要素が計算に必要、など助言・協力しています。
こちらの研究ですが、次はゲージについて、解析を進めていきたいです。まだ先は長い、が、グレートロードよりは頻繁に情報を出したい。

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