【イナスト2013】イナズマゲージ仕様検証 #1 自然増加法則 実験編

 皆さまこんにちは。今回は、イナズマゲージの仕様について解説するシリーズの2回目の投稿です。タイトルは#1となっていますが、これは前記事の#0に続くためです。

infi-nity.hatenablog.com

また、時間経過によるゲージ増加の場合の、時刻計測もほとんど誤差レベルでまとめられています。

検証記事  

kakinokakki.hatenablog.com

#1では、実際に得られた解析データと比較しながら、誤差、という形で処理していた不明だった点を明らかにしよう、という流れになります。

 

【解析データ1 ゲージの増加率の判明】

ボール所持の場合も含めて、このゲームには12段階のゲージ速度が存在していることが以前の検証により判明しました。それを受け、前回の記事では12種類のうち、未命名のものに対して名称を決定しようと試みました。ここでは、それらの名称を用いて説明します。

ドリブルする場合を含む、ゲージ速度階級分け(アルファ達から上はドリブル中限定)

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ここから本番ですが、海外の解析により、ゲージ速度についてきっちり数値化できたとの情報が入ってきました。表に落とし込んだものをここでは紹介します。
ゲージCの速度を基準として速さがn倍になっているという結果が得られたようです。
(nは正の整数で、n≦12)
これを元に、前半のキックオフから、何もボールに触れなかった場合のチャージ完了の時刻、つまりゲージが貯まるまでの最長の時間を算出した表が作られていました。

表1
  ゲージ速度 経過時間(秒) m:s
1 C 1,000 16:40
2 B 500 8:20
3 A 333 5:33
4 S 250 4:10
5 S+ 200 3:20
6 SK 167 2:47
7 SK+ 143 2:23
8 Sc 125 2:05
9 Sb 111 1:51
10 Sa 100 1:40
11 SS 91 1:31
12 SS+ 83 1:23

これまでも実践的な観点から、キックオフからゲージが満タンになる時刻は、誤差がおよそ5秒以内で各ゲージ速度帯において紹介されていました。今、この表では経過時間の列が1000/n で表せることが分かり、それを時刻に換算したものが最右列となります。
この解析結果は国内の一部では大きな衝撃を生みました。というのも、いま述べたように、従来の計測では誤差5秒以内でした。これを具体的な時刻で紹介すると、今までは

  • ゲージSは 約4分10秒(250秒)で貯まる
  • ゲージAは 約5分40秒(340秒)で貯まる
  • ゲージBは 約8分20秒(500秒)で貯まる

のように考えられていたので、僅かながら差が生じています。また、計測では試合ごとにズレが生じるものの、1の位はどのゲージ帯でも揃う、という法則がありました。

例として、三国が4分5秒に溜まる試合では千宮路は5分35秒に溜まり、4分9秒に溜まる試合では5分39秒に溜まります。

 

では、解析で得られた、例えばゲージAの5分33秒とはどういうことなのか。確かに1000/n という公式は非常に整った数式ではあるが、実測と異なるのはなぜなのか。
再度、条件を考えて計測、検証することにしました。

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(ほぼ)ゲージA統一とゲージS統一のチームを作り、ゲージが貯まる時間を再生速度1/10で計測しました。なお、このゲームの世界の10秒=現実世界の1秒であるので、再生速度が10%であれば現実と同じ速さになり、計測しやすいです。画像のように、基本的に放置して、全員のゲージが一律で貯まるようにしました。

【計測方法の紹介】

3種類の計算を行いました。

  1. キックオフから最初に貯まるまでの時間
  2. 最初に貯まって以降、自然にゲージが消える→貯まるの変化点を計測
  3. 守備側の操作キャラのブロック技サークルを開いてゲージをゼロにして、そこからもう一度ゲージが貯まる時刻を計測

1,2について採取したデータの1つがこちら。

  on off on off on
s 4m3s 9m3s 13m3s 18m3s 22m3s
a 5m33s 10m33s 16m3s 21m3s 26m33s

onはゲージが貯まった時刻offはゲージが消えた時刻。ここで注目するのはOFF→ONの経過時間。ゲージSの場合は4分、ゲージAの場合は5分30秒で常に一定であることが分かる。何度か繰り返しデータを取ったが、毎度同じことが言えた。
また、試行を重ねた結果、最初に貯まる時間はSが4分~4分10秒,Aが5分30秒~5分40秒 と推測した。

ゲージB統一でも計測したところ、こちらはoff→onの時間は8分10秒で一定であった。

  on off on off on off
s 4m2s 9m2s 13m2s 18m2s 22m2s 27m2s
b 8m12s 13m12s 21m22s 26m22s    
  on off on off on off
s 4m7s 9m7s 13m7s 18m7s 22m7s 27m7s
b 8m17s 13m17s 21m27s 26m27s    

 

ここまでの仮説では、最初の貯まる時間はブレるが、それ以降はONOFFの切り替わりは一定の時間で行われるので、試合開始時のゲージが5割±α説が出るなどした。しかし、いくらそれ以降OFF→ONの時間が一定とはいえ、かなり無理のある話ではあった。

 

【計測2 技サークルを用いた実験】

検算の為にもデータを揃えるべく、3のブロック技を用いた計測に移る。

その前に、このゲームの技サークル(OF/DF)の仕様について、解説

  • 技サークルを開き始める時、そのサークルはキャラクターを中心に円状に拡がっていく。この時、開くのを完了するまでの時間はゲーム内で3秒である。
    さらに、最初の1秒間はゲージはまだ減らず相手キャラへの当たり判定が存在しない。実戦では、サークルを開きながらテクニックアクションやスライディングを被弾するシーンが該当。ただし、敵の技サークルとの当たり判定は存在する

  • サークルを完全に開いてから、ゲージが減り始めるゲーム内で30秒、つまり普段であれば現実世界で3秒経つとゲージが0になりサークルは無効化され、閉じ始める。この時も、技サークル同士の当たり判定は存在する。閉じるのに要する時間は、やはりゲーム内で3秒である。

よって、ゲージが減り始めてから0になった瞬間の時刻をこの法則に従い計測する。
つまり、閉じ始めの時は既にゲージの自然増加が始まっているものと考える。

 

以下は、計測の結果である。ゲージが0になり、サークルが閉じ始める時刻をcloseの欄に、完全にサークルが消滅した時刻をvanish の欄に、ゲージが再び溜まる時間をrecoverの欄に記入しました。なお、計測キャラがボールを保持している場合(dribble)を付けます。基本的に、2試合分の集計です。recharge-vanishにより、0から100%になるまでにかかった時間を求められます。

  • ゲージS
    真佐久間        
    close 4m57s 13m43s 4m43s 13m32s
    vanish 5m 13m46s 4m46s 13m35s
    recharge 13m8s 21m58s 12m57s 21m47s
    JPN綱海        
    close 8m51s 18m52s 4m43s 14m22s
    vanish 8m54 18m55s 4m46s 14m25s
    recharge 17m2s 27m12s 12m57s 22m37s
    青山        
    close 9m46s 19m21s    
    vanish 9m49s 19m24s    
    recharge 17m57s 27m37s    
    毎回ばらつきはあるが、8分10秒~8分20秒に落ち着いている

  • ゲージA
      カモミ      
    close 16m23 6m9s 17m48s  
    vanish 16m26 6m12s 17m50s  
    recharge 27m28s 17m13s 28m53s  
      土門1st      
    close 6m3s 17m56s 4m20s 15m56s
    vanish 6m6s 17m59s 4m23s 15m59s
    recharge 17m6s 29m6s 15m21s 27m1s
    こちらは11分~11分10秒

  • ゲージB
      天馬   ザナーク
    close 3m40s 3m41s 2m9s
    vanish 3m43s 3m44s 2m12s
    recharge 20m20s 20m14s 18m43s
    ザナークは1試合のみ集計 
    これまでの流れから、16分30秒~16分40秒と考えられる。

  • ゲージB ドリブル (ゲージSk、Sk+)
  フェイ(dribble)  
close 11m19s 17m23s 22m52s
vanish 11m22s 17m26s 22m55s
recharge 16m2s 22m12s 27m32s
  天馬(dribble)  
close 17m44s 17m44s 3m40s
vanish 17m47s 17m47s 3m43s
recharge 23m17s 23m17s 20m20s

フェイは約4分40~50秒、天馬は5分30~40秒

以上から、ある程度に収束することは再確認できたが、結局毎回ばらつくことには変わらず、計算が合わないことが続いた。解析により秒単位でのゲージ速度が求められたにも関わらず、実際の時間を見るとズレが生じていて、その原因を探るのに苦労しました。実験フェイズはここまでで、この先はこれらの計測結果からある仮説にたどり着きます。それについては、次回記事で。

2022年に全部出せる気がしなくなってきたから区切って世に放出した