【イナスト2013】イナズマゲージ仕様検証 #1 自然増加法則 答え合わせ編

この記事は、【イナスト2013】イナズマゲージ仕様検証 #1 自然増加法則 実験編
の続きになります。答えだけ知りたい人はこちらの記事だけでも分かるように書きます

infi-nity.hatenablog.com

【前回のあらすじ】
解析によって明かされたゲージ速度(gauge/s)を用いて理論上計算で求められるゲージ点灯時間が、実際に計測される時間とは異なり、しかも毎試合その計測時刻自体も数秒ずれる。理由が分からずじまい。

【打開】

このまま1人で考えても、答えが出ることはなく、この分野に詳しい先人の力を借りることにしました。また、当時はまだ自分は導入してなかった動画編集ソフトで、1/3秒単位での映像解析もしていただけることになりました。今回の実験での結果も共有し、更なる改善を施し、実験を再開しました。
ばらつきが存在し不規則、という状態でも明らかに重要な点は、秒針の1の位は一致している、という点です。元よりゲージ帯が違えど1の位は共通するという性質に加え、今回も再点灯の時間はことごとく1の位が一致していました。この挙動に注目し、実験へ改良を施しました。
ゲージの増加幅が最も大きい、秋、恋、葵の3人のゲージを対象に、先程の1/3秒単位の映像解析、溜まる瞬間を注視し、ついに突破口を見出しました。


【導き】

同一の試合であれば、あらゆるケースで1の位が一致するという現象を解明するべく、視覚的に分かりやすいゲージ最速のキャラを使い、更に溜まる瞬間の挙動をスロー映像で把握した。
結果としては、ゲージは1の位の秒が来るたびに、増加していた。例えば、5分37秒に貯まる試合であれば、その過程は7秒、17秒、27秒…1分7秒、1分17秒…5分27秒、5分37秒
の時刻になるタイミングでゲージが増加した、つまりゲージのバーが動いていたのである。

↓ゲージのバー

画像

要するに、解析によって定義通りの速度(g/s)を出すことはできても、実際の試合では10秒ごとに増加判定を行っていたのである。そして、一の位は試合ごとに変動(キックオフまでの時間で決まるが、狙って指定できるかは不明)するので、毎回計測で再点灯の時間が偏るのである。
つまり、1秒あたりのゲージ増加率を用いて導き出した理論上の必要経過時間が経っても、その瞬間が増加判定のタイミングでなければ、余分に数秒必要になる、これが計測のたびに起きたズレの正体である。

 

【理論計算・修正】

このゲームのゲージの自然増加について、仕組みが見えてきました。更にいろいろなキャラで試して、映像解析した結果、判定時のキャラクターの状態によってのみ増加量が決定することも判明しました。
すなわち、増加判定の直前までドリブルをしていても判定時にボールを持っていなければ自然状態の増加量分しかゲージが増えない、ということです。これらの検証をもって、自然増加のルールは全て把握することとなりました。それでは、全てのゲージ帯に対して、正しいゲージの溜まるタイミングをまとめてみます。
キックオフから、放置してゲージが溜まる時刻の範囲をまとめます。なお、実際にはコンマ秒単位で判定時刻を出せるのですが、実用性や簡単化のため1の位、つまり整数での議論とします。

 

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判定回数とは、10秒間に1度の間隔で発生するゲージ増加の判定が、ゲージがMAXに到達するまでに何回行われるかを計算したものです。当然ですが、1分間では6回増加判定が行われます。
10秒間でゲージが増える量を元に、ゲージ速度v(g/10s)を定義します。判定回数*vにより、ゲージの増加量を算出できます。
チェック欄はゲージ増加量です。これが0.5(50%)以上であれば、開幕に溜まっている5割も合わせて、100%になります。0.5を超えるものもありますが、これが今までとの認識とのズレを如実に表しています。従来は1秒単位でゲージの増加を考え、10割丁度に達した時に技が使える、という認識でしたが、実際は10秒ごとの判定であり、溜まり切った瞬間もゲージがあふれているケースが存在する、ということでした。これにより、ゲージがかなり速いSa,SSといったランクは増加量が違うにも関わらず、同一タイミングで溜まりきるという事態が起きたりもします。
なお、表の判定回数をrと置くとき、50%+(r-1)*vを算出すると、溜まる直前のゲージの量を求めることができ、確かに100%を下回ることが確認されます。
また、この表の数値はゲージが半減→再点灯にかかる時間と全く同じになります。(ボールを持っているキャラは何分放置してもゲージが消えないので、実質上半分のみ)

簡易図 上を切り取るだけ
    自然消滅~再点灯
    上限 下限 カウント
1 C 16m30s 16m39s 100
2 B 8m10s 8m19s 50
3 A 5m30s 5m39s 34
4 S 4m00s 4m09s 25
5 S+ 3m10s 3m19s 20
6 SK 2m40s 2m49s 17
7 SK+ 2m20s 2m29s 15
8 Sc      
9 Sb      
10 Sa      
11 SS      
12 SS+      

 

 

同様にして、ブロック技を用いたゲージが0→100%になるまでの経過時間も計算します。無論、ほとんど上の図の2倍の数値が出てきますが、ゲージの溢れを考慮した時、少し異なることもあります。

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ゲージCについては、ハーフタイムを超えてしまうため、正確な計測は難しいと判断。
その他は、全て実際に計測で確認も行った。経過時間が伸びた分、高速帯でも差が生じた。

 

では、両方をまとめた表を作ります。

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【まとめ】

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今回の壮大な実験で分かったことは、試合開幕後にn(秒)(0≦n≦9)を判定のタイミングとし、以降n+10k (k≧1) 秒経過するたびに増加判定が行われる、つまり決まった1の位の秒でゲージが増加する。実際に試合中にゲージが動いたとき、次にゲージが溜まる時間は理論上の秒速を用いた場合と比べると、判定タイミングが原因で最大9秒の範囲で変動してしまう。

 

では、これからは頑張って現実の0.1秒単位で目を凝らして判定タイミングを見つけよう!とはなりません。…?


この判定タイミングは、試合中にいくらでも変動してしまうのです。技やミキシトランスのムービーを挟むたびに、判定タイミングが4.66秒移動します。これによって、更に時刻が前後にずれます。が、増減を繰り返すことで、平均0に収束するとみなせるため、基本的に10秒の範囲で収まります。これについては、番外編で趣味の領域として触れたいと思いますが、流石に来年に持ち越し。
結局のところ、こんな秒レベルの議論なので、実戦で影響は皆無と言えます。ではなぜこんなことをした?無意味なのか?という話ですが、#2以降の計算においては今日の知識は必要です。自然増加とドリブル時の増加については、誤差の修正程度にしかなりませんが、それ以外の要因での変動、スルーパスやシュートによる増加量を正しく理解するには、今日の知識や演算方法は必ず必要になります。やはり、これも来年に持ち越し。
今回は、何故試合ごとに計測時刻がずれるのか、そして実際に特定の状態からゲージが溜まりきるまでの経過時間の範囲をしっかり覚えられればOKです。(要するに図を覚える)
いざ実戦で使う時、次に溜まるのは範囲の中央の5分35秒後とするのか、計算簡略な5分半にするのか、保守的に見積もって5分40秒にするのか、それは任せます。

 

協力いただいた方々、解析データの提供してくれた方々、過去検証に従事した全ての方へありがとうございました。

 

滑り込み妥協到達点にて完成